こんにちは。
Air Raidプレイブックの続きです。今回はランプレイについて。
Air Raidはパス偏重のオフェンスとして有名ですが、ランプレイがないわけではありません。特に2022年シーズン、Mike Leach (マイク・リーチ)率いるミシシッピ州立大学は一般的に言われるよりランを多用していた印象があります。
そんなAir Raidのランは現在、5つ用意しています。それぞれディフェンスのフロント別にダイアグラムをつくっています。
※後々GT Counterを追加する予定です。
Numbering Systemと注意事項
実際のプレイの説明に移る前にひとつ注意事項を。今回のプレイブックでは、一般的なランプレイの名前の前に数字が入ります。”4″は右、”5″は左サイドへのプレイを表します。OptionはQBが走る方向で数字をつけています。
ボールキャリアは赤色で着色しています。Optionの場合はボールキャリアになる可能性がある選手全員を赤色にしています。
※プレイブックをつくる上でボックスディフェンダーの人数に負けているなど、無茶なプレイもあります。この場合、オーディブルでプレイを変えることを推奨します。人数負けなどを判断するのもQBの仕事です。
リーチはフィールド上のQBにある程度の権限を与えていました。「フィールドにいる選手が一番フィールド上で起こっていることを分かっているはずだ」と考えていたそうです。サイドラインから来たプレイコールが負けると判断したら問答無用でプレイを変えてください。それもAir Raidの考え方です。
もし、コーチがこのブログを読んでくださっているなら、QBを信じてあげてください。結果が間違ったからといって恐怖政治で支配せず、原因究明と反省に生かしてください。
Inside Zone
4 Inside Zone
5 Inside Zone
Inside Zoneの説明
Zone Blocking Schemeでは、Numbering Systemが重要となります。プレイサイドのA gapディフェンダーを0として外側へ1 (B gapディフェンダー), 2 (C gapディフェンダー)と番号が増えていきます。逆にバックサイドは-1, -2と減っていきます。役割をそれぞれ示すと、
上記のようになります。Gはどちらも1番、Tはどちらも2番をブロックすることになります。これだけ分かっていればあまり迷うことはないはず。
RBはCのお尻をめがけて両A, プレイサイドのB gapから走るコースを選んでください。
※Inside Zoneでは最大6人のブロッカーしかボックスにいません。この人数を上回る場合や5人がLOSに並んでいる場合、ランは通りません。無理せずパスに切り替えてください。
Iso
4 Iso
5 Iso
Isoの説明
IsoはIsolationの名のとおり、ディフェンスを左右に分断するプレイです。そしてLead Isoとも呼ばれるようにリードブロッカーが必要となります。このため、2バックの体型から使うこととなります。どうしても1バックで使いたいならQB Isoという方法もありますが。
ブロッキングルールはフロントによって多少変わります。細かくは各ダイアグラムをご覧ください。
GT Counter
4 GT Counter
5 GT Counter
GT Counterの説明
GT Counterは、Gap Schemeのランプレイです。GTはそれぞれPullするポジションを表します。相手のフロントによってはGTではなくGHやGY Counterとしています。Gap SchemeなのでPull以外のブロッカーはダウンブロックとなります。
RBはCounterといってもCounter Stepは踏まなくて結構です。最近のCounterはこういう形が多いので。
何をもってCounterなのかは厳密な答えを見たことはありませんが、GだけがPullする場合はPower、GT、GH、GYと2人がPullする場合はCounterと呼称する傾向にあると認識しています。
Bash
4 Bash
5 Bash
Bashの説明
Gap SchemeのOptionプレイとなります。QBのラン方向をプレイサイドと考えるとバックサイドのG,TがPullします。ほかのOLはダウンブロックです。Hは逆サイドのOverhangのディフェンダー (OLBなど)をブロックします。相手のフロントによってはILBでオプションする場合もあります。
QBはバックサイドのEMLOS (End Man on the Line Of Scrimmage)(もしくはEMOL(End man On the Line)とも言う)を見てFにGiveするか自分がKeepするか判断してください。FにアタックするならKeep、逆ならGiveという具合です。
オプションは1人のディフェンダーを浮かすため、ブロッカーの人数に余裕が生まれます。それでもボックスに7人以上いる場合はオススメしません。
Speed Option
4 Speed option
5 Speed Option
Speed Optionの説明
プレイサイドのEMLOSでオプションします。プレイサイドのT, YはArcでLBをブロックします。残りはZoneブロックと同じ考え方でブロックしてください。
QBはリードの対象となるディフェンダーの動きで判断してください。判断基準はBashと同じです。
Draw
4 Draw
5 Draw
Drawの説明
CとBSG以外は通常の5歩プロテクション。CもしくはGがPullしてOLBに上がります。YかHがILBをCrackブロックします。
Fはパスプロするそぶりを見せてからハンドオフを受けます。その後はPullするCもしくはGについていってください。
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