フットボール教室 – 5-7 Step Pass

こんにちは。

前回は短いパスについて学びました。

アメフト部
フットボール教室 – 3 Step Pass こんにちは。 前回はルートツリーについて整理しました。 今回はそのルートを組み合わせたルートコンビネーションに…

ルートコンビネーションはまだまだあります。
今回は5歩以上のロングパスです。
投げるタイミングが遅いとすべてのルートを使ったバリエーション豊かなコンセプトをつくることが可能です。
その代わりパスプロは大変です。
ここからがNFLやカレッジのパスプレイの真髄です。

目次

5-7歩のパス

一般的に5歩のパスというと、セットバックの状態から5歩(ショットガンならスナップを受けてから3歩)ドロップバックしたタイミングで投げるパスです。レシーバーは大体10ヤード前後でブレイクすることが多いかな。もう少し長いパターンもありますが、そこはリードプログレッションの順番でタイミングを合わせたりします。

Smash-7

PositionRouteCheckpoint
XHitch5 Yds
HCorner10 Yds Break
YCorner10 Yds Break
ZHitch5 Yds

QB Read Progression : X→H or Z→Y

HitchとCornerの組み合わせをSmashと呼びます。7はルートツリーにおけるCornerルートのナンバリングでしたね。

QBはShallow to Deepの順番でリードします。ミラーパターンにしている場合、左右どちらでも結構です。上手いレシーバーがいる方、弱いCBがいる方などで選択すれば良いかと思います。

レシーバーはインサイドがCorner、アウトサイドがHitchです。Cornerルートを走るときは外側のスペースがなくならないようにインサイドから走ることが多いです。

典型的なCover 2 Beaterのプレイとなります。CBをHi-Loで挟み込むVertical Stretchのパスパターンです。Cover 2ならCBはFlat Defenderとなり、その奥のCornerはSFの責任ゾーンとなります。しかし、Deepのサイドライン際、通称 “Turkey Hole” と呼ばれるエリアはSFが苦手とする場所です。内側から追いかけても間に合いにくいから。そこを狙ったプレイです。どのレベルのフットボールでも使うテッパンのコンセプト。

Flat-7

PositionRouteCheckpoint
XCorner10 Yds Break
HFlat2-3 Yds
YCorner10 Yds Break
ZFlat2-3 Yds

QB Read Progression : X→H or Z→Y

CornerとFlatの組み合わせです。先ほどのSmash-7と同じ考え方ですが、Cornerの出所が違いますね。

QBのリードは同じでいいと思います。短いコースから先に見ないと投げるタイミング失うでしょうから。それに先Corner見るとCBがそちらに寄ってしまうので。どっちも空いてなかったらスクランブルで。

レシーバーは外側がCorner、内側がFlatを走ります。ここで先ほどのSmashと矛盾します。「Cornerルートを走るときは外側のスペースがなくならないようにインサイドから走ることが多いです」と先ほどは言いました。ただし、Flat-7の場合、両方が外へ流れるルートです。アウトサイドがFlatを走るとよけいにパスのタイミングがありません。ということで、アウトサイドのレシーバーは斜めに踏んでから縦に上がります。これをInside Stemというそうな。

Smashと考え方は同じ。CBを前後で挟むHi-Loコンセプトです。同じくCover 2 Beaterですが、Smashほどは使わないかな?この手のコンセプトではSmashが1番有名だと思います。

Dagger

PositionRouteCheckpoint
XDig15 Yds
HShallow2-3 Yds
YOut15 Yds
Zvs MOFO : Influence Post
vs MOFC : Seam
Must Inside Release
BCheck Shoot

QB Read Progression : Z→X→H→B

左側のDig, Seam (Post), ShallowのHi-Loコンビネーションがキモとなります。つまりこれもVertical Stretchのコンセプトとなります。

QBは奥から手前へとリードします。重要となるのはSFがしっかりZをカバーしているか、HにマッチアップしていたNiもしくはOLBがXとHのどちらをカバーしているかということです。メインとなるのはXとHです。NiもしくはOLBがカバーしていない方へ投げてください。

まず、ZはSFの注意を引きつけるおとり (Alert) となります。これがMOFO (Middle Of the Field Open, 2 Highのこと) とMOFC (Middle Of the Field Closed, Single Highのこと)でルートが変わります。MOFOの場合は2人のSFを引っ張りたいのでPostに入ります (多分このことをInfluence Postと言う).。逆にMOFCなら真ん中には1人しかSFがいませんのでSeamとなります。
XはZがクリアにしたエリアに入り込みます。Digとはいえ、バッチリBreakして切り込むというより15 Ydsを越えたあたりからヌルッと横に流れるのがよく見るパターンです。つまり16 Yds以上はDepthを取ります。
HはShallowルートです。2-3 Ydsくらいの深さを意識してもらえればオッケーです。

Cover 2 Beaterとしても有名ですが、Cover 1、3にも有効なプレイです。最近流行りのCover 4にも非常に強いコンセプトです。Curl DefenderをVertical StretchさせながらM/Mに対しても位置関係で勝ちやすいです。
Cover 2, 3ならCurl DefenderはOLBかNiが担当しますそこを前後でストレッチさせることは先ほども説明しました。
Cover 1, 4に対してはDigが狙い目です。どちらもXにはCBがマッチアップしますが、外側をキープしたまま中央へ真横に流れるルートはM/Mの弱点です。自分の身体から遠い位置にボールが届くので。

Sucker

PositionRouteCheckpoint
XFade
HCurl10 Yds
YSeam
Zvs MOFC : Dig
vs MOFO : Post
10 Yds
BCheck Release

QB Read Progression : Y→Z→H

右側のSeam, Dig, Curlの組み合わせでSuckerです。前後で引っ張るVertical Stretchのプレイとなります。

QBは奥から手前へとリードします。メインとなるのは、ZのDigです。

YはSeamを走りSFを引っ張ります。HはCurlを走ることでCurl Defenderを引きつけます。
肝心のZはカバーによってルートを変えます。シングルハイのときはDig、2ハイのときはPostという具合です。

Daggerと似た考え方のパスコンセプトです。SeamとCurlルートによってCurlゾーンを強制的に空けることが狙いです。その隙間に入ってくるDigがディフェンスのど真ん中でパスを受けるという算段。大体どのカバーでも有効かと思います。

Mills, Pin

PositionRouteCheckpoint
XPostDino Stem
HDig10 Yds
YShallow2-3 Yds
ZFade

QB Read Progression : Y→H→X

左側のPostとDigがこのパスコンセプトです。Pin (Post-Inの略)とも言ったりします。SFを前後で挟むVertical Stretchとなります。

QBは手前から奥へリードします。

XはPost、必ずCornerに振る必要はありません。Hは10ヤードで入るDig、その手前にYのShallowが交差してきます。

Dig, Suckerと似たような3段の構成ですが、これはCover 4 Beaterとして有名なコンセプトです。Digに対してSFがどう反応するのかが重要です。Digに食いついたりFlat-Foot ReadならPostに投げれば内側の有利な位置関係をキープしながらCBと1 on 1の勝負ができます。逆にPostをカバーすればDigに通しやすいというわけです。ブリッツが入るならYに投げちゃえばオッケーです。

Scissors

PositionRouteCheckpoint
XPost
HCornerDino Stem
ZFade
BShoot

QB Read Progression : X→H→B

左のPost-Cornerの組み合わせでScissorsです。

QBのリード順は上述のとおり。

XはPost、HはCornerを走ります。

こちらもCover 4 Beaterとして有名なコンセプト。マッチカバーなら途中からM/Mカバーとなりますので、交差するルートは大敵。HのCornerが空きやすいかと思います。一応Cover 4にはクロスを受け渡す”Zorro”もありますので、必ず勝てるという訳ではありませんが。とはいえ交差することでミスを誘発しやすいので強力なパスパターンです。

Four Verticals

PositionRouteCheckpoint
XFade
vs Cover 3 : Comeback
MUST Outside Release
HSeam
vs Deep Cushion : 10 Yds Stop
Best Release
Yvs MOFC : Seam
vs MOFO : Post
Best Release
ZFade
vs Cover 3 : Comeback
MUST Outside Release
BCheck Down

QB Read Progression : X→H→B or Z→Y→B

Deepに4人送り込むことで、SFを横にストレッチさせるパスコンセプトです。

QBは左右どちらからかOutside-Inでリードします。オプションルートが設定されているサイドからでもいいですし、マッチアップ的に勝てそうなレシーバーがいるサイドでも構いません。

外のレシーバーはFadeですが、Cover 3なら頭を抑えられるのでComebackルートに切り替えます。内側は基本的にSeamです。Yは2ハイならPostです。Hが少し難しい。マッチアップするSFが深いクッションを取っていたらストップしますが、どのくらいのクッションなのか、どこでストップするのかが絶妙に難しい。この辺は微妙な感覚なのでできる人はやってくださいというくらいです。

Cover2, 3ならDeep Defenderの人数が足りないので必然的に誰かがワイドオープンとなります。Cover 4ならPostかストップするインサイドが空くことになります。シンプルながら強い定番のコンセプトです。特にAir Raidのチームではテッパンのプレイ。

999

PositionRouteCheckpoint
XFade
vs Cover 3 : Comeback
Tag : Shallow
MUST Outside Release

2-3 Yds
HSeam
vs MOFO : Post
vs Deep Cushion : 10 Yds Stop
Best Release
YDeep OverOver Mike
ZFade
vs Cover 3 : Comeback
Tag : Dig
MUST Outside Release

15 Yds
FCheck Down
Tag : Rail


QB Read Progression : Z→H→Y

Tag Shallow : Y→H→Z→X→F

Tag Dig : Y→H→Z→F

Fade (9番のルート)が3人 (SeamはFade扱い)なので999。先ほどのFour Verticalsの一種です。コンセプトの考え方も似たような感じです。

3 by 1の体型になることでQBのリードはTripsサイドからとなります。順番は先ほどと同じくOutside-Inで。Tagはほかのレシーバーに影響を与えずルートを変えることを言いますが、上の図の場合、一度に2人変わってしまっています。苦渋の決断ですが、まあ使わなくても別に結構です。

基本的なルートは先ほどのFour Verticalsと同じですが、Yは逆サイドのハッシュへ走ります。これがキモです。2ハイカバーならディフェンスはそれぞれのサイドをメインで見ることとなり、YのDeep Overに誰がマッチするのかでミスが発生しやすい。Cover 2系統ならMikeがYとマッチしますが、これがミスマッチとなります。

Tag Shallowは、縦に引っ張ったディフェンスの前のスペースをがら空きにさせたところにXのShallowが飛び込んできます。

Tag Digは、Cover 4用につくってみました。CBとの位置関係で有利となります。

Sail, OVS

PositionRouteCheckpoint
XDeep Dig
vs MOFO : Stop at MOF
MUST Inside Release
HShoot
Tag : Wheel
YSail
vs Cover 2 : Corner
vs Cover 3, 4 : Out
vs 2 Buster : 10 Yds Stop
MUST Outside Release
ZFade
vs Cover 3 : Skinny Post
MUST Outside Release
FSwingBehind LOS

QB Read Progression : Z→Y→F→X

Tag Wheel : Z→Y→X→H

別名「OVS(Outside Vertical Stretch)」。どのパスカバーにも強いがCover 3にはめっぽう強いプレイです。片側のDeep, Intermediate, Shallowの3段をVertical StretchするFloodコンセプトの一種です。

QBは奥から手前へとリードします。

ZはAlertのFadeです。Cover 3の場合はSkinny Postへ変えることで自信もオープンになりやすくなります。
Yがこのコンセプトのメインとなるわけですが、カバーによって多くのオプションが設定されます。まずCBがDeepに下がるCover 3, 4の場合はOutパターンで、CBに近づかず、かつFlat DefenderのOLBまたはSFからセパレーションをつくります。M/Mの場合も同じルートです。Cover 2のようにCBがFlatに残る場合はCBとFadeで引っ張るSFの間に入るためCornerルートとなります。そして、いわゆるSail Killerとして悪名高い “2 Buster”の場合、ちょうどYが入りたい位置にCBが待ち構えています。このようなカバーの場合は10ヤードでブレイクしたらストップしてしまえばいいです。FはSwingですが、Yとの距離を保つためにLOS (Line of Scrimmage)を越えないように。

Tag Railはあえて逆サイドを狙っています。XのDeep DigにSFは必ず釣られます。その裏をかくRailルートで一発TDを狙います。弱点はパスプロ。ラッシュを抑えられるかが課題です。

NCAA

PositionRouteCheckpoint
XDig10 Yds
YShallow2-3 Yds
ZPost
BCheck Down3 Yds

QB Read Progression : Y→X→Z

先ほどのSailと同じVertical Stretchのコンセプトですが、こちらはフィールドの中央部でストレッチさせます。

QBは手前から奥へリードするのが良いかな?多分。

YのShallowとXのDigでLBをストレッチ、DigとZのPostでSFをストレッチさせます。Hi-Loコンビネーションなので手前は空きやすいはず。

Cover 2ならPostが狙い目です。両SFは外側に向かって斜めに下がるのでMOF (Middle Of Field)は空きやすい。ShallowとDig、Check DownでMikeも真ん中に釘付けとすることができます。そのほかZoneなら手前のDigかShallowが空きやすいしM/MならShallowからのRAC (Run After Catch)で爆走が狙えます。

Drive

PositionRouteCheckpoint
XFadeMUST Outside Release
HShallow
vs Zone : Stop at opposite Hash
2-3 Yds
YDig
vs Zone : Stop at Seam
vs M/M : Rub
ZCurlMUST Inside Release
17 Yds

QB Read Progression : H→Y→Z

これもVertical Stretchのプレイです。ShallowとDigの2段攻めでDriveです。

QBは手前から奥、そしてZへ。

HとYを近づけたのは、M/Mのときにピックできるからです。縦に走るYの後からHがShallowを走ることで彼にマッチするNiを引きはがすことができます。そしてY、HともにZoneカバー相手ならシームでストップすること。
ZはDigに引っ張られたCurl Defenderの裏にスッと入ってください。

Hi-Loコンボであると同時に全体が左へと流れます。このため、ディフェンスも若干左へ流れぎみとなりがちです。その裏に入るZを入れたのがこのコンセプトの強み。

Shallow Cross

PositionRouteCheckpoint
XFade
Tag : Post
MUST Outside Release
HDig
vs Zone : Stop at Seam
Outside Release
Keep Vertical Lane
YShallowLandmark : DE’s Heel
2-3 Yds
ZFade
Tag : Curl
MUST Outside Release
MUST Inside Release
17 Yds
FCheck SwingBehind LOS

QB Read Progression : Y→H→F

Tag Post : Y→H→X

Tag Curl : H→Z→F

大体どのチームでもテッパンのプレイです。真ん中のShallowとDigが反対方向から交差するように走るからShallow Cross。

QBはDriveと同じようにリードしてください。Shallow、Digと見てそのあとはTagによって変えます。

メインのShallowとDigも同じようなオプションの考え方でオッケーです。両外は通常Fadeで、特にターゲットとなる見込みは低いです。

Tag PostになるとXがメインとなります。DigにSFが食いつけばPostはCBと一対一。狙い目となります。

Tag Curlは先ほどのDriveと同じことです。

Shallow Crossはあらゆるカバーに強いだけでなく、バリエーションも豊かです。RB以外の全員がShallowを走るパターンがあり、的を絞らせないオフェンスが可能です。それに成功率が高い。獲得ヤードはそこまで期待できませんが、成功率の高さとRACが魅力のプレイ。

Y-Cross

PositionRouteCheckpoint
XFade
Tag : Post
MUST Outside Release
HCheck Option3 Yds
YCrossUnder Sam, Over Mike
ZCurlMUST Inside Release
17 Yds
FCheck Swing

QB Read Progression : X→H→Y→Z

Tag Post : H→Y→X→Z

真ん中を豪快に跨ぐのが特徴の一撃狙いのコンセプトです。

QBは左から右へとリードします。左はクイックタイミングのパスです。ブリッツ入ったり見た時点で空いていれば投げて構いません。

XはFade、プレスナップで一対一だと分かればここも狙い目です。Hはカバーによって3択です。Zoneならストップ、M/Mで自分の外側をディフェンスがキープしているなら斜め内側へ、その逆なら外へ流れます。メインのYはカバーによって変幻自在に動きが変わります。MOFOならど真ん中のディープへ、M/Mなら真横へ、Tampa 2ならMikeの裏を越せないのでMikeの手前でストップ。ZはDriveと同じ。

Air Raidの象徴的なパスコンセプトをこのブログでは紹介していますが、このコンセプトが1番よく考えられているなと感じました。今回のプレイはH以外はLincoln Riley (USCのHC)のY-Crossを参考にしました。

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