ヒューストン・テキサンズ ブレイクダウン 2022 Week 4

こんにちは。

おじさんって冷遇されている。毎日家族のために一生懸命働いてヘトヘトになりながら生活しているのにも関わらず、世間はおじさんを汚物扱い。電車が人身事故でダイヤが大幅に乱れたとき、普段はそこまでぎゅうぎゅうにならない路線でもギッチギチの満員電車になることは電車通勤している方ならよくお分かりかと思います。そんな状況で発生するおじさんたちのおしくらまんじゅう。ターミナル駅でそのおじさん電車から解放された女学生は友達と「もう最悪!」とブーブー言っていた現場を見かけたことがあります。あなたたちのお父さんもこうして毎日仕事に行ってるんだよ、と心の中でたしなめておきました。

ところでなぜおじさんはこうも冷遇されるのでしょう?加齢臭?頭髪?清潔感?色々要因はあるのでしょうが、日本ではおじさんはぞんざいに扱ってもいいという風潮がはびこっています。かくいうぼくも人混みの中でオナラが出そうになったとき、後ろが学生や若者ならグッと堪えます。ところが後ろがおじさんなら「まあいっか」という気持ちでオナラをかまします。なんだかよくわかりませんが、おじさんならいいじゃん♬という気持ちにさせられるのです。ぼくが悪いんじゃない。おじさんが悪い。あれ?知らぬ間におじさんをぞんざいに扱っている?おじさんの魔力?おじさんには不思議な魅力がある。おじさんというワードだけでちょっと面白いもん。人はおじさんをぞんざいに扱うと同時におじさんに惹かれている。

さて、テキサンズのレギュラーシーズンを追うシリーズも1/4が終わりました。レギュラーシーズンの1Qが終わり?早いねー。これまでも試行錯誤を繰り返しながら更新してきましたが、今回から大幅に構成を変えてみようと思います。

というのも、グラフと表ばっかりのブログはおもんない。自分の中では意味のあるデータかと思いましたが、読み返してみるとおんなじようなことばっかり続くと飽きがきます。サラサラっと読める記事の方が良いかと思った次第です。

具体的には、オフェンスとディフェンスはひとまとめにしようと思います。そしてデータは取り続けているので多少のプレイ構成なんかは紹介しながら、ぼくの感想や気になったプレイなんかを紹介していこうと思います。ようは変化をつけたいわけです。単調な高速道路よりアップダウンとカーブが連続する峠道の方がドライブしてて楽しいでしょ?そういうことです。

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目次

オフェンス

プレイ構成

ランが14回、パスが31、プレイアクションが12回という構成でした。ずいぶんパスが多いね。ESPNのプレイ数と比べて差があるのは反則などでノープレイとなったものも含まれているからです。今週はその誤差が大きい。

それにしてもエラいパスに偏った週でした。負けている状況だとどうしてもキャッチアップオフェンスでパスが多くなりがちです。とはいえ、かなり多い数です。パスの獲得ヤードは215ヤードといつもどおりの数字です。対戦相手のチャージャースとアテンプト・成功数はほとんど同じでしたが1回平均の獲得ヤードがチャージャースの8.5ヤードに対し、テキサンズは5.5ヤードと3ヤードも差がついています。

ランは14回で131ヤード!1回平均で9ヤードを超えています。これはかなり上等な成績です。先週くらいからDameon Pierce(デミアン・ピアース)がチームの大黒柱として固まってきた感があります。まだルーキーなのに。この成績はランが少ないからよくゲインしたのでしょうか?それともランブロックとRBが良いからゲインできたのでしょうか?それは今後の注目ポイントです。

ビッグプレイの数

ビッグプレイの数というのも重要です。ちまちま進んで得点できるならそれでも良いのでしょうが、実際はそう簡単にはいきません。ビッグプレイで一気に進んだり、なんとか1stダウンを更新したりしながらドライブは進むもの。ビッグプレイが多ければ多いほど得点への期待が高まり、勝利が近づくというもの。というわけでランは10ヤード以上、パスは20ヤード以上を基準にどれだけのビッグプレイがあったのか確認してみましょう。

スクロールできます
QuaterDownDistancePersonnelQBPlayYard備考
211021Under CenterRun75TD
32211ShotgunRun10
ランのビッグプレイ

ご存知のとおり、ピアースくんはこの日大活躍。75ヤードの爆裂TDを獲得しました㊗️。10ヤード以上を獲得したのは2回しかありませんが、ランが少ないのでおまけしてあげましょう。

スクロールできます
QuaterDownDistancePersonnelQBPlayYard備考
131111ShotgunPass22PENALTY
211021Under CenterPlay Action20
221511ShotgunPass22
33711ShotgunPass20
32213Under CenterPlay Action30
411012Under CenterPlay Action58
パスとプレイアクションのビッグプレイ

ホールディングで1回取り消しになったこともありますが、これまでのDavis Mills(デイビス・ミルズ)にしては上出来だよね。徐々に成長していくものと信じて来週の試合を楽しみにしましょう。

パーソネルの内訳

相変わらず11パーソネルが主流です。11パーソネルが35回、12パーソネルが9回、13パーソネルが6回、21パーソネルも6回、22パーソネルが3回という具合です。

ちなみにプレイの傾向はというと、12パーソネルと13パーソネルはプレイアクションやパス、21パーソネルと22パーソネルがランが多くなるといういつものパターンです。11パーソネルはバランスよくプレイしますが、今週はパスが多かったこともあり、その傾向にならっています。

注目プレイ

ここからはぼくが気になったプレイを紹介します。今週はやっぱりこれでしょ。

NFL公式Twitterより引用

ピアースくんの75ヤードTD!インパクトもすごかったですが、このプレイ何度かコールされて、その度に5ヤード以上は獲得していたハマりプレイでもありました。

NFL Game Passからスクリーンショットとして引用

ざっとアサインメントを描くとこんな感じです。いわゆるCrack Tossというプレイです。画面右端、12番のNico Collins(ニコ・コリンズ)がエッジを外から蓋をするようにブロックします。これをクラックブロックと言います。このブロックとFBのアークブロックがカギとなります。

NFL Game Passからスクリーンショットとして引用

まず、黄色く丸をつけたコリンズがバッチリEDGEを内に封じ込めています。

NFL Game Passからスクリーンショットとして引用

続いて、FBのTroy Hairston(トロイ・ヘアストン)がまっすぐ相手SAFをブロックしています。ナイス!

NFL Game Passからスクリーンショットとして引用

そして、横に流れたディフェンスの隙間を見つけて素早く縦上がり。あとはSAFとの1 on 1。オープンフィールドで1 on 1のタックルは至難の技。あっという間にタッチダウン

FBのブロックが毎度良いのです。まっすぐブロックするのは意外と難しい。ディフェンスは大体どっちかに顔を出そうとしますから。

先ほども述べたとおり、このプレイは試合中何度か使っており、そのたびに良いゲインでした。じゃあいっぱいプレイすれば良いじゃんと思われるでしょうが、オープンのランプレイはロスのリスクも上がりやすい。使いすぎは良くありません。だから使用は限定的でした。勝つためにはほかにも得意なプレイを増やさなければなりません。

ディフェンス

プレイ構成

チャージャースのプレイ構成について。全体的にバランスよく攻めている印象です。ランが25回、パスが27回、プレイアクションが14回という内容でした。ESPNと多少ズレがあるのは反則やニーダウンを含めていないからです。

パスは338ヤード、平均8.5ヤード喪失しています。平均はともかく稼がれすぎかな。とはいってもいつもディフェンスの方が長くプレイしているので情状酌量の余地はあります。

ランは81ヤード、平均3.0ヤードと優秀な成績!?ニーダウンで多少平均が下がっているにしても奇妙な結果です。試合中はバカスカ進まれている印象がありましたが、蓋を開けてみれば思ってたより少ない。ただ、必要なときに必要なヤードを獲得できているか、得点につながっているかという観点では確実にしてやられていました。平均の魔術に騙されてはいけません

ビッグプレイの数

今度は相手オフェンスに許したビッグプレイの数を見ていきます。

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QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
225477Run10TD
2110477Run20TD
2110477Run14
4212477Run10
ランのビッグプレイ

ほら見てみい!2回もTD取られとるやないかい!だから平均を気にするのもほどほどに。

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QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
227477Play Action50
2110477Play Action25
2210467Pass24
235467Pass25
3110476Play Action20
442665Play Action21
パスとプレイアクションのビッグプレイ

こちらもなかなかのやられっぷり。ブリッツを入れようが入れまいが関係なくやられるときはやられる。特にプレイアクションでドカンとやられやすいのかな。

ランとパス合わせて10回もビッグプレイを許すのは早急に改善が必要です。チャージャースは開幕前こそ謎に前評判が良かったものの、シーズンが始まればそこそこの試合内容に収まっています。そのチーム相手にやられまくりだとチーフス相手では見るも無残な試合になる可能性が高い。Lovie Smith(ラビー・スミス)には重圧がかかっています。

注目プレイ

Twitterにも書いたことですが、テキサンズのディフェンスはモーションと逆サイドに展開するランプレイに弱いと気づきました。どういうことかまたスクリーンショットを使って説明します。

Bleacher Report公式Twitterより引用

この日2つ目のTDを奪われたプレイを例に紹介します。

NFL Game Passからスクリーンショットとして引用

例によってアサインメントを描くとこんな感じ。ちょっとごちゃごちゃしててすみません。アサインメントは単純なSplit Zoneです。ただ、ぼくは逆サイドへの決め打ちのプレイだと思います。

まず、このモーションでDesmond King(デズモンド・キング)をモーションサイドへ引っ張ります。その効果はまた後で。

NFL Game Passからスクリーンショットとして引用

プレイが始まるとブロッカーは黄色い線を境としてランニングレーンをつくっているように見えます。最初から左サイドへの展開は考えていないようなブロックです。

NFL Game Passからスクリーンショットとして引用

そして最後は右のカットバックレーンがボコっと空いています。フルサイズのピックアップトラックが通れるくらいデカいホール。つまり、最初にモーションでキングを引っ張ったからこれだけのスペースが空くことになります。本来ここにレシーバーとキングがいてキングがブロックを外していれば、TDにならなかった可能性があるわけです。最初のモーションはプレイしたいサイドのディフェンダーを減らす狙いがあったのです。

あとはeasy money(楽な仕事だという意味)。

今週のDVOA

みなさんはDVOAという指標をご存知ですか?ぼくもブログのためにTwitterを始めてから知ったものですが、より正確にチームや選手、ポジションを評価しようということを目的に使われ始めた指標です。特に数学が大好きなアメリカのアナリストは各チームの評価軸として使っている人もいます。

詳細はまた別にブログ記事として紹介しようと思っていますが、ランで3ヤードゲインしたといっても状況や対戦相手によってその数字の価値は変わります。3rd & 2の3ヤードと3rd & 10の3ヤードは全然価値が違いますよね?ランディフェンスが苦手なディフェンス相手に3ヤードしかゲインできなかったのか、堅牢なディフェンス相手にゴール前で3ヤードゲインした結果TDだったのかなど同じ3ヤードでもその意味が変わることはわかると思います。

先ほど気になったランディフェンスの成績についてもそうです。従来のスタッツはただ数字を積み上げただけのもので、必要なときに必要なヤードを稼いでいるか、意味のないゲインなどは見えません。

DVOAというのは、そういった状況や相手、現在のフットボールが置かれている環境も変数として調整した上で本当に効果的・生産的なチーム、選手、ポジションなのかということを評価するものです。評価はリーグの平均を0%としてそこから上下の偏差で評価します。オフェンスはプラスに、ディフェンスはマイナスになればなるほど良いという評価です。

さて、簡単に説明したところでテキサンズのDVOAをチェックしましょう。ぼくが会員登録しているFootball Outsidersではレギュラーシーズンの累積DVOAを一覧で見ることができます。Week4時点での気になるテキサンズは…


DVOALeague
Total DVOA-25.7%31st
Offense-19.0%30th
Defense10.4%27th
Special Teams3.8%5th
Football Outsiderより引用

スペシャルチーム凄いね!褒めるとこだけ見ていこ!悪いとこはみんなわかってるから。

最後にFootball Outsidersのリンクを貼っておきます。

https://www.footballoutsiders.com/

無料会員登録はどこかにあるはずですが忘れました。ごめんね。

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