ヒューストン・テキサンズ ブレイクダウン 2022 Week 5

こんにちは。

ぼくは昔から「変わってる」と言われることが多かった。悪い意味でね。場の空気は読めないし、人の気持ちを察することも苦手でした。というかいまも抜けきってはいません。いままで周りの人はぼくのことをキモいと思っていたでしょう。自分で思い返しても最高潮にキモいやつとしか思えないので詳細は省きます。それでも辛抱強く付き合ってくれた人もいました。社会人になってから友人の結婚や転勤などで連絡を取らなくなったりで、いまも連絡を取っている人はほとんどいませんが、彼らのおかげでいまのぼくは元気に生きています。

ターニングポイントはアメフトを始めてからだったと思います。引きこもりだったぼくは高校を卒業していません。刹那的に生きていた自分は金もないのに大学への進学をなんとなく決めます。ホントになんとなく。進学を決めた大学も家から近くて人とは違う勉強ができるからとかそんな程度。幸い勉強には苦労しない脳みそだけは持ち合わせていたので、高卒認定試験と大学の一般試験はすんなり合格。そこから引きこもり中に見始めたNFLをきっかけにアメフト部へ入部します。ぼくはダメ人間を絵に描いたような男なので周りには迷惑しかかけていません。社会人になってからも上司や周りの人に怒られてばっかり。ぼくの脳みそは社会生活を上手くおくれるようにはできていませんでした。人が学生時代までに学ぶ人間関係の構築方法なんてものはぼくの脳みそにはなかったのです。人との距離の詰め方や良好な関係の構築はいまでもぼくの最難関です。それでもなんとか人付き合いというものを大学、社会人生活を続けるうちに人の7割分くらいまではできるようになりました。いまもいわゆる弱者男性というやつですが、社内の人間関係に恵まれて楽しく過ごせています。つくづく思うのは、ぼくは周りの人に生かされているだけということ。

おそらく、あの大学でアメフト部に入部しなければ、周りの人たちが優しくなければ、ぼくはいまごろ自殺していたはずです。そういう意味ではアメフトがぼくの人生を変えてくれました。ぼくにとってアメフトは、ただのスポーツとは違った思い入れがあるのです。

さて、今週のテキサンズは待望のシーズン初勝利🎉!めでたい。ぼくはNFLで特定のチームを応援していませんが、情が移るのも事実。負けっぱなしちゅうのはブログやってても寂しいもんです。山あり谷あり、それがシーズン、それが人生。起伏がない植物のような毎日に生きがいがあるでしょうか?いや、ない。辛いときも楽しいときも応援する、頑張る、それこそがフットボール、それこそが人生。

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目次

オフェンス

プレイ構成

ついにランがパスを上回る日がやってきました。実にオールドスクールなフットボールです。具体的にはランが31回、パスが16回、プレイアクションが10回です。

トータルヤードはたったの248ヤード!これで勝ったんだからスタッツなんてのはアテにならない。

ランとパスのトータルヤード、平均獲得ヤードはこんなもん。ランは平均4.0ヤードと可もなく不可もなくと言った数字です。回数が多ければ平均は落ちやすいので、まあ良しとしましょう。パスの平均ヤードはだいたい5.0ヤード前後。いつもどおりの低調な数字です。

ビッグプレイの数

今回もランは10ヤード以上、パスは20ヤード以上を基準にビッグプレイがどれだけあったかチェックします。

スクロールできます
QuaterDownDistancePersonnelQBPlayYard備考
12911Under CenterRun12
22311Under CenterRun17
42511Under CenterRun20
ランのビッグプレイ

2ndダウンに集中しています。そして11パーソネルのアンダーセンターからのランがよく効いていました。20ヤードのランは確かパワーだったと思います。テキサンズのランはゾーンランニングゲームが中心ですが、意外とパワーランニングゲームの方が良いのか?

QuaterDownDistancePersonnelQBPlayYard備考
111012Under CenterPlay Action20
43212ShotgunPass23PENALTY
パスのビッグプレイ

パスは少ない!ビッグプレイがたったの2回!2つめのビッグプレイはあのNico Collins(ニコ・コリンズ)へのフェードです。反則はディフェンスのもの。

パーソネルの内訳

10パーソネルが1回、11パーソネルが30回、12パーソネルが6回、13パーソネルが2回、21パーソネルが9回、22パーソネルが10回、23パーソネルが2回でした。相変わらず11パーソネルが中心でしたが、いままでの試合と違うのはFBを使う20代のパーソネルが35%を占めています。これまでのテキサンズを見ていると、FBを入れると途端にランの確率が高まります。今週のランの多さはパーソネルにも表れています。

ちなみにショットガンとアンダーセンターの割合も見てみると、ショットガンが23回アンダーセンターが37回とQBのセット位置にもランの多さが表れています。

感想

今週は特に気になったプレイもなかったので、感想でも。

ぼくが気になったのはなぜランが急に多くなったのか?です。シーズン開幕からOC Pep Hamilton(ペップ・ハミルトン)のオフェンスは1stダウンからプレイアクションをバシバシ使うパス重視のオフェンスでした。プレイアクションもブートレッグやショットガンからの短いタイミングのポップやバブルスクリーンではなく、バーティカルなヤンキーやダガーのようなコンセプトが多かったはずです。正統派のプロスタイルオフェンスはパス重視からラン重視のオールドスクールなオフェンスへと変わりました。もちろんキャッチアップではなかったこともランが多くなった要因のひとつです。それにしても1stダウンのプレイアクションが減りました。

ヤンキー
ダガー

プレイアクションが減ったということはTEの起用も少なくなったということになります。プレイアクションをするとき、テキサンズは12パーソネル13パーソネルを多用していました。パスプロテクションとレシーバー要因の両方で使えるからだと思います。

それと、今後このラン重視を続けるのか?ということも気になります。おそらく相手によってランとパスの比率は変えていくのでしょうが、さすがにランで使うRBがDameon Pierce(デミアン・ピアース)1人というのは心細い。彼がケガすればオフェンスは崩壊です。もうひとりくらい計算できるRBを補強してもよさそうなもんです。

そして、Davis Mills(デービス・ミルズ)パサーとして見限られたのか?ラン重視のオフェンスに転換したとすればミルズはハンドオフマシーンとして今シーズンを過ごし、来年はドラフトやFAでQBを補強する方向なのかもしれません。いまのままでは明確に先発QBを任せられる実力がないことは火を見るより明らか。彼のキャリアは彼自身が掴み取る必要があります。

まあ、NFLのコーチは相当なタヌキ親父の集まりだと昔、解説の河口氏が言っていたので考えはあるのでしょう。今後の動向を注視していきましょう。

ディフェンス

プレイ構成

ジャガーズオフェンスのプレイ構成はランが26回、パスが37回、プレイアクションが10回という内容でした。パスが多いのはキャッチアップオフェンスで4Qにパスを連打したことが大きく響いています。トータルヤードは422ヤード!という6点しか取れなかった試合とは思えない数字でした。

全体的にはランとショートパスでつないでいくタイプのオフェンスだったと記憶しています。しきりにスマッシュ7を狙っていましたが、一度通された後は通用しませんでした。テキサンズといえどそこはNFLのディフェンス。しっかり対応していました。

ランとパスの平均ヤードは5ヤードちょいと似たような数字です。プレイアクションで平均8.8ヤード稼いでおり、よくあるウエストコーストオフェンスのような成績です。

ビッグプレイの数

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
128477Run18
1110577Run30
435467Run12
ランのビッグプレイ

ゾーンリードでTrevor Lawrence(トレバー・ローレンス)に爆走されたことは覚えています。あのときはDEがブロックされてLBでリードされていたので、SAFも含めてオプションを止める必要がありました。

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
1110467Play Action20
2110587Play Action37
2218577Play Action25
2110467Pass20
328467Pass28
338467Pass20
パスとプレイアクションのビッグパス

前半を中心にバカスカ取られています。ウソみたいにシームをキレイに通されたパスが前半に光りました。4Qはバッチリ抑えていたのでオッケー。勝てばいいから。点を取られなければいいということを思い知らされた試合でした。

注目プレイ

PFF College公式Twitterより引用

今週はCB Derek Stingley Jr.(デレク・スティングリー・ジュニア)がキャリア初INTを決めました。

PFF College公式Twitterの動画のスクリーンショット

例によってアサインメントを描くとこんな感じ。この世に蔓延するブートレッグのパスパターンです。年に500回くらい見る。このヘビーな体型に対し、テキサンズはカバー1ルックでセットしています。

PFF College公式Twitterの動画のスクリーンショット

実際にプレイが始まるとカバー3なのか判然としませんが、ゾーンカバーのように見えます。このときマッチアップする相手がいないスティングリーは自分がカバーする相手を探しています。そして、黄色く印をつけたようにZay Jones(ゼイ・ジョーンズ)を発見します。後は待ってましたと言わんばかりにI.N.T。ただし、そのあとのリターンはいただけない。どう考えてもタッチバックの方が陣地稼げた。まあ、せっかく新人がビッグプレイを決めたんだから水を差すようなことは言われていませんでしたが、後日のミーティングでは注意されるはずです。

感想

この日のテキサンズディフェンスは恐ろしいほど一貫したディフェンスを敷いていました。まず、フロントは4-2-5のニッケルディフェンスブリッツは1回もなし!これまでもブリッツが少なめのディフェンスでしたが、今回は選択肢にすら上がっていなかったのか?DLもスラントはあったものの、ほとんどがストレートなラッシュ。

カバレッジはプレスナップからほとんどが2ハイシェル。そして、実際のカバーはMOFOのカバーがほとんど。具体的にはカバー2、タンパ2、カバー4でした。前半はカバー2とタンパ2、後半の明確なパスシチュエーションはカバー4といった具合です。2ミニッツはタンパ2が多くを占めていました。カバー1とカバー3もあるにはありましたが、1回ずつくらいしか使っていません。

カバー2
タンパ2
カバー4

一応カバレッジシェルのアサインメントも載せておきます。実際に使ったアラインとは違いますが過去のブログ用につくったものを流用しています。

HC Lovie Smith(ラビー・スミス)の基本をよく分かっているであろうジャガーズのHC Doug Pederson(ダグ・ピーダーソン)は、先ほども述べたようにスマッシュ7を何度か繰り出してきました。

スマッシュ7

カバー2の弱点であるディープのサイドライン際「ターキーホール」を狙うルートコンビネーションです。さすがに1回は通されましたが、その後はCBがカットできるくらいの深さまで下がって上手く対応していました。

これだけシンプルなディフェンスでなぜ勝てたのかぼくにはよく分かりません。かなり押し込まれるドライブが何度かありましたが、ターンオーバーでなんとか凌いだという感じです。まさに“Bend but don’t break”(曲がりはするが折れはしない)というディフェンスでした。最終的には細かい位置どりが上手かったテキサンズディフェンスがふんばった試合となりました。

今週のDVOA


DVOALeague
Total DVOA-19.5%29th
Offense-15.5%28th
Defense8.1%24th
Special Teams4.1%3rd
Football Outsidersより引用

先週と見比べてもらえれば分かりますが、成績がアップしています。トータルは2ランク、オフェンスも2ランク、ディフェンスは3ランク、スペシャルチームも2ランク上がっています。オフェンスなんか上がりようもなさそうですが、対戦相手の強度を反映したりもあるからでしょう。全体的に低調な割にスペシャルチームだけ異常にレベルが高い。試合を観ていると確かにキックやパントカバーで20ヤード以内に押し込んでいるシーンをよく見ます。このおかげでディフェンスの低調な成績にしては得点が少なく済んでいます。KのKa’imi Fairbairn(カイミ・フェアバーン)が外すシーンなんかほとんど見ません。ホントに試合をつくっているのはスペシャルチームということがよく分かります。

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