Kyle Shanahan’s Offense

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Run

それでは個別のプレイの紹介に入ります。まずはランから。

※ランは紙面スペースの都合上、WRのスプリットは正確ではありません。

Outside Zone

Outside Zoneはシャナハンの十八番。そのため、微妙なブロックの違いでプレイがかなり細かく分かれています。エイミングポイント (RBが最初に目がける場所)はどれもTEの外側のため、いわゆるMid ZoneやWide Zoneとは違い、純粋にOutside Zoneだけで勝負しています。

しかし、この微妙なブロッキングスキームの違いによってディフェンス目線だとRun Fitsがややこしこしくなるため、ゲインしやすいシステムです。あとはタレントが揃っているというのもかなり大きいですが。

OLはOutside Zoneのブロッキングスキームで。2線目の選手に関してはそれぞれのターゲティングシステムがあり、誰が誰をブロックするか明確に決められています。

QBは4時/8時の方向に下がりハンドオフ後はキープのフェイクを続けること。

RBはLOSから7.5 Ydsの位置にセット。1歩後ろに下がってからTEの外足に向かいます。上がるコースは外から内へ一つずつ選択。

18-19

“Mike Declared”のシングバックのプレイです。Mike Declaredとは、CがMikeをブロックするためのターゲティングコールです。

WRの8-9 RulesはMDM (Most Dangerous Man)をブロックするという意味です。右のWRの場合、CBよりサポートに上がってきたSSの方がタックルされやすい。このため、CBではなくSSをブロックします。

TripleはプレイサイドのOTとTEのダブルのことです。上の図の場合、DEを2人でブロックした後、どちらかがSamをブロックします。Zoneなのでどちらがどちらかは決まっていません。自分の負担ホールに来た方をブロックします。

“A”はCとBS (バックサイド)のGのダブル。“C”は同様にBSのOTとTEのダブルです。

Shawn氏のTwitterより引用

同じプレイでもシャナハンのZoneはハンドオフとトスの2パターンがあります。エイミングポイントはトスになるとInside Zoneっぽくなります。

OutというのはOTとTEが普通より1人分外側の相手をブロックすることらしい。

ブロッカーが足りないUnblockableなディフェンダーがいる場合、QBは“OSCAR”でプレイサイドを変更します。上の図の場合、OutでTEがSS、OTがDE、GがDTをブロックしてもSamが余ってしまいます。だからOSCARで通るサイドに逃げる。

Single Chipとは、プレイサイドのCとGのダブルは変わりません。Mikeがバックサイド側にいる時のダブルです。SiftはBSTがB Gapを守る役割です。

Force

Mike Declaredの2バックのストロングサイドへ展開するOZです。FBがサポートをブロッックします。

SamがOn BallならYと1 vs 1、Off BallならOTとTEのTriple Blockとなります。

WRはPS (プレイサイド)がCB、BSがMDMです。

Shawn氏のTwitterより引用

ディフェンスの位置関係によってパスの方が有利な場合が発生します。そういう時はDART (1歩のSlant)を入れてしまいます。

上の図の場合、モーションのおかげでディフェンスがM/Mだと分かります。ZにマッチアップするCBがいた場所はスカスカのためそこにSlantを送り込めばイージーにパスが決まります。

というわけでこれはプレスナップのRPOとなります。

Force Cat

先ほどのFORCEとほとんど同じですが、WRとFBのブロック対象をスワップします。

WRのPush Techniqueというのは、多分CBをブロックしに行くフリをしてSSをブロックすることだと思います。

このWRとFBのブロック対象をスワップするパターンをCATと言い、ほかのプレイでもいくつかCATがつくプレイがあります。

Shawn氏のTwitterより引用

Weak

Mike Declaredのウィークサイドへ展開する2バックのプレイです。先ほどのFORCEと反対です。

FBはWillをブロックしますが、WillがOn Ballのとき、ウィークサイドへモーションしオフセットします。多分間に合わないからだと思いますが。

そのほかは普通のOZ。

DoubleはPSのGとOTのダブルです。

Shawn氏のTwitterより引用

先ほどのFBがモーションするルールは元々別の選手がモーションするアサインメントなら、FBのモーションはなし。ここは気張ってブロックします。実際にはFBは外に押し出す形となりRBはその内側を抜ける形となると思います。

“B”はBSのGとOTのダブルのこと。

エクストラブロッカーをつくるためにINSERT RULEがあります。WRがモーションしてフォーメーションの中からサポートをブロックします。

FSがローテーションしてきてブロッカーが足りない場合、FBはFSをブロックします。これを“SPOT”と言い、QBは拳を上げてSPOTをアピールします。

WEAKと同じルールですが、RBが大外を捲るプレイ。

Weezy

こちらはターゲティングシステムの説明がなかったので不明。図ではストロングサイドへ展開していますがウィークサイドへのOZです。

YはSifterと言い、バックサイドのSiftに合わせてバックサイドのEMLOS (End Man on Line Of Scrimmage)をカットオフします。Split Zoneの形になる場合もあれば、バックサイドのB Gapが埋まっておらず普通のOZの形になる場合もあります。

Shawn氏のTwitterより引用

Wanda

シャナハンオフェンスで最もバリエーションが多いプレイがWANDAです。

基本はBox Declaredのウィークサイドへ展開するシングルバックのプレイとなります。Box DeclaredはOLがPSの1人目と2人目のボックスディフェンダーをブロックするターゲティングシステムです。

SLOT RULEというのはおそらくそれぞれがMDMをブロックするというルールです。

Shawn氏のTwitterより引用

こちらはDARTを組み合わせたパターン。BSTがMan Blockとなっているのはパスを叩かれないため。

こちらはOSCARを入れたパターン。ブリッツとローテーションなどでウィークサイドへの望みが薄い場合はストロングサイドに変更します。

こちらもローテーションによりウィークサイドへプレイできないパターンです。この場合、CANによりTOSS SUPPORTというプレイへ変更します。CANというのは違うプレイに変更する合図です。

Shawn氏のTwitterより引用

JETをモーションを組み合わせたのがWANDA VIRGIN。JET SWEEPのフェイクを入れてからハンドオフします。

ディフェンスがちゃんとアジャストしないならそのままJET SWEEPしてもヨシ。

これはWIPEというPullとDown Blockを使うプレイです。そのほかは同じ。

こちらはWANDAの形で行うJET SWEEP。

OLとRBはWANDAと同じです。YはJABと言ってDEをブロックするふりしてスカします。その後サポートをブロック。このJABの間に普通は抜けられるだろうという考えです。時々捕まりますが。

こちらはポストスナップRPOです。Mikeがオプションの対象となります。彼がランに食いつけばFに投げる。

実際は3人ターゲットがおり、バリエーションによって投げる対象は変わります。

Zap

今度はMike Declaredのストロングサイドのプレイです。これもシングルバックとなります。

TE格の選手がDE、Sam、サポートをブロックするルールです。SamがUnderフロントなどでOn Ballの位置にセットしていたらYとFのダブルQuad Blockとなります。上の図はSSが上がっているのでOTとYのTripleです。要はSkill to Skill, Size to Sizeのマッチアップで不利な状況をつくらないためのダブルチームです。

Shawn氏のTwitterより引用

Zorro

Mike Declaredで、ストロングサイドへ展開する2バックのプレイです。FBはTEの内側からEMLOSをブロックしてからサポートのブロックへ。

最近はFをJetモーションさせてから思いっきりEMLOSをキックアウトするブロックが見られます。

Shawn氏のTwitterより引用
Shawn氏のTwitterより引用
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