Kyle Shanahan’s Offense

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Play Action Pass

ランの次はPAP。ランが効くからPAPも通りやすい。逆に言えばランを通さなければPAPは通りにくい。Outside Zoneでディフェンスを左右に振りつつ前にも引っ張ることでPAPを生かすことが可能となります。

シャナハンのPAPはかなり長いパターンが多い。強力なランと組み合わせることで、LBの裏を通すこともあれば、普通は狙わないAlertという囮役のディープにも投げ込むこともあります。

そして49ersの強みは複数のポジションをこなすマルチタレントの豊富さ。メインのターゲットとなるCross系のルートなどにはGeorge Kittle (ジョージ・キトル)やBrandon Aiyuk (ブランドン・アイユーク)、Deebo Samuel (ディーボ・サミュエル)、Christian McAffrey (クリスチャン・マカフリー)らが走ることができるため、ディフェンスからすればどこかにミスマッチが生じやすくなります。高い次元でバーサタイル性を持つ選手を揃えられればディフェンスに苦しい選択を強いることが可能となります。

Read

READは定番プレイ。Xのレシーバーが走るルートをReadと言います。これは単純にSFの動きで決めるプレイです。

Xはハッシュから2-4 Yds外側の20 Yds地点を目がけて走りこみます。SFがFlat Foot (肩をLOSと平行にしながらリードを続けている状態、あまり後ろに下がらないテクニック)ならそのまま縦に走り抜け、下がり続けているなら20 Ydsでストップ。SFをリードするからRead。のはず。

ZのLockは必ずストップするReadです。

Rich氏のTwitterより引用
James Light氏のYouTubeより引用

Read Rail

READ RAILは先ほどのREADの裏にRailルートをかます2縦のコンセプトとなります。CBとSFはXのReadに食いつくのでその裏からこそっとZがRailを走ればワイドオープンという仕組みです。QBのリードプログレッションは内から外へ。

XのReadは先ほどと全く同じ。

ZのRailはナンバーの内側から外側へ広がるGoルートです。

HのOutletというのはチェックダウンのことです。

James Light氏のTwitterより引用

Sail

IZのWEAKのフェイクからのSAILパターンです。SAILは縦に伸びるパターンとFlat、その中間に入るCornerルートで構成されるパスコンセプトのこと。片側のサイドライン際に3人のレシーバーを押し込むことでディフェンスの人数を上回ろうという狙いです。QBのリードプログレッションは奥から手前の順番に見ますが、主にターゲットとなるのはZかFです。

XはFlyモーションからWiden Go。Widenというルートのランドマークの説明がなかったのでよく分かりませんが、外に広がるFadeのことです。

ZはChaseルート。インサイドステムで近い方のハッシュを目指し12-15 Ydsまで縦に押し込み、その後外へ流れます。

FはIZのブロックに見せかけた後、Flatへ逃げます。

HはIZのフェイクからCheck Thruという5 Ydsの位置でストップするルートです。これはチェックダウン。しかし、BSから人数を上回るブリッツが入る場合、フェイクは無しで即パスプロします。

coachkou氏のTwitterより引用

Blazer

BLAZERは大きくまたぐSAILのようなプレイです。狙い自体はSAILと同じですが、中間のCornerルートが逆サイドのCrossルートとなります。このBLAZERの場合、1番奥に押し込むZもターゲットとなる場合があります。
PAPとしてはIZのSPLITのフェイクとなります。

Zはアウトサイドステムでナンバーの20 Ydsの位置まで縦に押した後内側に折れるSkinny Postです。このSkinny PostをBlazerと呼びます。CBが外側のレバレッジをキープしているならSkinny Postは有効となります。

中間に入ってくるXはHi Crossというルートです。15 Ydsくらいまで斜めに入り込んでから最終的に18-22 Ydsあたりを目指します。M/Mなら横に流れ、Zoneなら縦めに走りこみます。

FはSPLITフェイクからFlatへ。

Yはランブロックのフリしてからほとんどその場でストップ。

Hはほぼ関係ありません。

James Light氏のYouTubeより引用」

Burner

BURNERもSAIL系統のプレイです。BLAZERとほぼ同じですが縦押しの役割が微妙に違います。

XはPylonルート。内側に切れ込んで15 Yds押し込んだ後、エンドゾーンの手前か奥のパイロンを目指します。どちらを目指すかは残りの距離によって変わります。エンドゾーンが近ければ奥、遠ければ手前のパイロンを目指します。

ZはHi Cross。

FとHも先ほど説明したものと同じです。

James Light氏のYouTubeより引用

Rider

RIDERYANKEEに近い系統のパス。真ん中のディープに2人のレシーバーを送り込みます。一般的にTampa 2とかに強いと言われているパターン。

XはStreakです。近い方のゴールポストを目指して縦に押し込みます。

FはHi Cross、ZはReverseフェイクからそのまま逆サイドのFlatへ流れます。

Rich氏のTwitterより引用

Blaze Out Locker

BLAZE OUT LOCKERはめちゃくちゃ長いSMASHに近い。ここまで深いとCBのストレッチというレベルではないように思えますが。QBのプログレッションは奥から手前へ。

Xは途中までBlazerルートのように走ります。22-25 Ydsでサイドラインに向かうように折れます。Cover 3の場合は少し手前に戻ります。

ZのLockerはReadルートの要領で18 Ydsまで縦に押した後、横へポッキリ折れます。彼の役割はSFを引きつけること。XとCBを1 vs 1にしたいわけです。それがAlert。

FはIZのSPLITフェイクでFlatへ。

rohan氏のTwitterより引用

Dagger

DAGGERはそのままDAGGERコンセプトです。スロットレシーバーが縦に引っ張った後、内側にアウトサイドレシーバーが入ってくる。その手前にCrossなりFlatのルートが入るバーティカルストレッチのコンセプトです。QBのプログレッションはこれまた奥から手前。

DAGGERとか次に説明するDRIFTなどはPAPにすることでLBを一旦前に引きつけられるからフィールド中央を攻めやすくなります。

FはDeep Thruというルートですが、彼はAlert。1 highなら斜めに踏んでから15 Yds地点でさらに斜めに。2 highなら真っ直ぐ縦に走り込んでから斜めに。これはSFのヘルプを消すため。

XはWiden Doverというルート。ナンバーの外側まで広がって15 Yds地点でフワッと内側に入ります。最終的に目指す地点は20 Yds。

Yはランブロックの後Flatへ。

James Light氏のYouTubeより引用

Drift

DRIFTはLBを前後で挟むバーティカルストレッチ。先ほどのDAGGERと狙いは近いですが、少し浅めのパス。

XとZはともにAlert。CBなりSFを消すためのルートを走ります。

FはDriftルート。セットする位置によって微妙に変わりますが、上の図の場合、Widenといって少し広がります。とにかく10 Yds地点でフワッと内側に入り込みます。Find Holeというのはディフェンダーの隙間に入り込むということ。要はシームでストップしてくださいということです。

Yはブロック後Flatへ。

James Light氏のYouTubeより引用

Heat

HEATYANKEEと似ていますが少し違います。フィールド中央に走り込むルートとFlatのHi-Loリードのプレイとなります。

XはField Postというルートで、Readルートの要領で18 Ydsまで斜めに押し込んだ後、少し横に折れてただただ走り続けます。ディープのSFを引っ張る役割となります。

ZのMiamiルートは近い方のハッシュを目指して15 Yds地点でストップ。ディフェンスがM/Mだったりタイトゾーンカバー、逆サイドのSFがカットしてくる場合の時は反転してサイドラインへ向かいます。

その手前をFがFlatに走ります。

James Light氏のYouTubeより引用

Marlin

Hi-LoリードのHEATに対し、MARLINはトライアングルリードのコンセプトです。

XのBlaze Out、ZのMiami、HのCheck Flatで作られる三角形でディフェンダーを囲い、空いているレシーバーに投げるという感じ。

Keeper

KEEPERはシャナハンの主力PAPの一つ。基本はLow CrossとディレイのFlatの2択な訳ですが、1番奥のAlertにも通すこともあります。QBのプログレッションは奥から手前。

XのFar Cornerはひたすら逆サイドのパイロンを目指すルートです。これはAlertでSFを引っ張る役割です。

ZのLow Crossは、Hi Crossより浅いという以外は同じです。最終的に12-14 Ydsを目指します。これがメインのターゲットとなります。

Yは一度OZのブロックをしてからこそっとFlatに出てきます。

KEEPERにはいくつかバリエーションがあります。

Shawn氏のTwitterより引用

上はKEEPER SLIDE

Shawn氏のTwitterより引用

これはHICCUP

Shawn氏のTwitterより引用

これはT.O. (Takeoff)

Leak

KEEPERがあればLEAKもある。要はKEEPERでディフェンスを右サイドに流した後、実はLeakが狙い目というプレイです。

線が重なっていて見づらいですが、Leakに出ているのはYです。LBの前を通ってランブロックで流れてきたと思わせてそのままWheel Upするだけ。DBはだいたいXのFar Cornerに引っ張られるので、Yはワイドオープンになるという算段です。

ほかはKEEPERと一緒。

coachkou氏のTwitterより引用
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