ヒューストン・テキサンズ ブレイクダウン 2022 Week 1 – ディフェンス

こんにちは。

ぼくの趣味は理科。
天気図なんかを見てると日に日に秋の訪れを感じます。
台風がやってきて太平洋高気圧が南下する。
秋雨前線が北から降りてきます。
雲も夏の入道雲から羊雲へと変化し、空が高くなってきたなーと思うわけです。
しかし、実際には夏の方が空は高いのです。
というのも太陽と地表の角度は垂直に近くなるほど、放射による熱エネルギーが大きくなり地表は暖まります。
そして大気は暖められると密度が低くなり膨張します。
南の赤道付近で暖められた大気は海水が蒸発した水蒸気を多量に含んでおり、大気成分の分子量(mol数)の関係から乾燥した空気よりも軽くなります。
そして気圧の低い上空に移動するうちに断熱膨張によって温度は下がり、露点温度に達します。
そして雲が発生し雨を降らせます。
これが赤道低圧帯の動きです。
太平洋高気圧は南の赤道低圧帯に対応する亜熱帯高圧帯の一つなわけで低気圧の隣は高気圧となります。
高気圧ということはその地点での大気の質量は周辺と比べて大きくなります。
暖かく膨張している空気の質量が大きいということは、大気の背は高いということになります。
つまり、太平洋高気圧に支配される日本の夏の空は秋のそれより実際は高いのです。
といってもあくまで対流圏内の話ですが。
日本を含めた中緯度帯における対流圏の高さは季節によっておよそ8-15kmとばらつきがあります。(めっちゃ早口)

さて、前回から始まったテキサンズのシチュエーションごとのプレイ構成の記事はいかがでしょうか。
とりあえず1シーズンやってみて、最後に総括できればと思っています。
集めるデータはシーズンで変えませんが、ブログの構成や見せ方なんかはやりながら改善していきます。
というわけで今回はディフェンスについて。

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目次

概況

まずはデータの紹介から。

スクロールできます
WeekQuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
11110467Run4
1126467Pass3
1133467Run2
1141


Punt

11110477Run0
11210477Pass17
11110477Run2
1128467Run7
1131456Run2
11110477Pass0
11210467Run3
1137456Pass8
11110587Run5
1125465Run-2
1137677Pass5
1142


Punt

11110575Pass0
11210457Pass11
11110477Pass20
11110467Run17
11110467Run9
1121577Run4
111G477Run-2
122G467Pass0
123G467Pass9
124G477Run-2
12110477Pass28
12110477Run2
1228467Run7
1231586Run13
12110467Pass3
1227476Pass0INT
12110467Pass5
1225467Run3
1232467Pass5
12110477Pass3
1227457Pass0OFFSIDE
1222467Pass20
12110457Pass4
1226467Pass-7
1231345


FS
12318457Pass0
12418


Punt

13110457Run1Holding
13110467Run9
1321477Run2
13110466Pass0
13210467Pass14Holding
13215457Pass0UR
13110477Pass0
13210467Run8
1332685Pass0Fumble
13110477Pass0
13210477Pass0
13310467Pass4
1346


Punt


14110467Pass0
14210467Pass14
14110417Pass16
14110466Pass13
14110467Pass23
14110456Run6
1424457Pass9
141G467Pass0
142G567Pass0
143G457Pass0
144G


FG
DG
144G


FG

14110456Run7
1423467Run4
141G587Pass7
142G687Run2TD
14110465Pass0
14210456Pass16
14110455Run9
1421467Run13
14110466Run13
14110477Run14
14110467Pass15TD
14110457Run2
1428467Pass0
1438457Pass12
14110467Pass12
14110467Pass7
1423467Pass0
1433467Pass2
1441


Punt

1OT110466Run0
1OT210466Run10
1OT110467Pass0
1OT210467Pass0
1OT310467Pass12
1OT110577Run-3Fumble
1OT213456Pass15
1OT110665Run-2
1OT212465Pass13
1OT110477Run8
1OT22686Run-3
1OT35476Pass-5
1OT410


FG
MISS
1OT110467Pass1
1OT29447Pass20

ほとんどオフェンスと同じ構成にしています。
違う部分について説明します。
フロントとはスクリメージラインに並んでいる人数です。
DLがメインですが、例えばDBやLBがライン上にいる場合は彼らもカウントします。
ボックスは、そのままボックス内にいるディフェンダーの人数を指します。
DEの外側にいる選手は問答無用で数に入れません。
カバレッジは、パスカバーに下がった人数のことです。
一般的に4人がラッシュして7人がカバーすることが多い。
つまり、カバレッジが7人未満の場合は誰かがブリッツに入っていることになります。
細かいブリッツやカバレッジのスキームは、すべてを知らないぼくには不可能なので考慮しません。
単純な人数勝負でランとパスに対する成績を見ていきます。

まず、コルツ戦でのディフェンスのスナップ数は94回。
オフェンスと比べると20プレイ以上も多くフィールドに立っていることになります。
フロントの人数はほぼ4人で、そのスナップ数は82回。
5人フロントは7回、6人は5回。
ボックスの人数は4人が1回、5人が19回、6人が46回、7人が22回、8人が6回となっています。
DEのすぐ外側にLBがセットしていることも多く、ランストッパーは大体7人体制の2ハイシェルが多かったような記憶があります。
なので、単純にライトなボックスというわけでもありませんが、あまり変化のないディフェンスでした。
ボックスが8人というのはほとんどがショートヤードの場面。
カバレッジに割いた人数は5人が7回、6人が15回、7人が71回。
そのほか、フォルススタートでノープレイとなったものが1回です。
ゾーンブリッツもなかったはずですので、かなりコンサバティブなディフェンス。

1Qは21スナップでプレイ。
115ヤード与え、1プレイ当たりの平均喪失ヤードは5.5ヤードとなっています。
2Qは19回のスナップ。
喪失ヤードは93ヤード、平均は5.2ヤードです。
やられっぱなし感もありますが、INTもあり踏ん張っていました。
3Qは12回しかディフェンスはフィールドにいません。
38ヤードしか与えず、平均ヤードも3.2ヤードと奮闘。
4Qは怒涛のランオフェンスに苦しめられた結果、コルツに28回もオフェンスさせています。
216ヤード奪われ、1プレイ当たり7.7ヤードも稼がれました。
おそるべしJonathan Taylor(ジョナサン・テイラー)。
OTでは14回プレイしました。
66ヤードの喪失と4.7ヤードの平均となりました。

さて、いよいよシチュエーションごとの構成を見ていきましょう。

ダウンごとのプレイに対する成績

1st Down

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
1110467Run4
1110477Run0
1110477Run2
1110477Pass0
1110587Run5
1110575Pass0
1110477Pass20
1110467Run17
1110467Run9
11G477Run-2
2110477Pass28
2110477Run2
2110467Pass3
2110467Pass5
2110477Pass3
2110457Pass4
3110457Run1Holding
3110467Run9
3110466Pass0
3110477Pass0
3110477Pass0
4110467Pass0
4110457Pass16
4110466Pass13
4110467Pass23
4110456Run6
41G467Pass0
4110456Run7
41G587Pass7
4110465Pass0
4110455Run9
4110466Run13
4110477Run14
4110467Pass15TD
4110457Run2
4110467Pass12
4110467Pass7
OT110466Run0
OT110467Pass0
OT110577Run-3Fumble
OT110665Run-2
OT110477Run8
OT110467Pass1

1stダウンのプレイ数は43回。
喪失ヤードは258ヤードで、平均は6.0ヤードとちょっと攻め込まれ気味。
4Q以降ボコボコ進まれた印象があるので4QとOTを除けば、喪失ヤード110ヤード、平均5.2ヤードまで目減りします。

1stダウン全体ではランが20回コールされ、喪失ヤードが101ヤードの平均5.1ヤードです。
対してパスは23回で、157ヤード奪われ平均は6.8ヤードとなりました。

2nd Down

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
126467Pass3
1210477Pass17
128467Run7
1210467Run3
125465Run-2
1210457Pass11
121577Run4
22G467Pass0
228467Run7
227476Pass0INT
225467Run3
227457Pass0OFFSIDE
222467Pass20
226467Pass-7
321477Run2
3210467Pass14Holding
3215457Pass0UR
3210467Run8
3210477Pass0
4210467Pass14
424457Pass9
42G567Pass0
423467Run4
42G687Run2TD
4210456Pass16
421467Run13
428467Pass0
423467Pass0
OT210466Run10
OT210467Pass0
OT213456Pass15
OT212465Pass13
OT22686Run-3
OT29447Pass20

2ndダウンのスナップ数は34回。
全体の喪失ヤードは203ヤードで、平均は6.0ヤードとなります。
1stダウンと同じような成績となりました。
テキサンズオフェンスと比べると、1stダウンと2ndダウンの2回でより楽に1stダウンを更新しやすい傾向でした。

このうち、ランは14回プレイ。
58ヤードの喪失と平均4.5ヤードと1stダウンよりは持ち直しています。
パスは21回あり、喪失ヤード145ヤード、平均6.9ヤードを記録しました。
パスは1stダウンとあまり変わらない数字。

3rd Down

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
133467Run2
131456Run2
137456Pass8
137677Pass5
23G467Pass9
231586Run13
232467Pass5
231345


FS
2318457Pass0
332685Pass0Fumble
3310467Pass4
43G457Pass0
438457Pass12
433467Pass2
OT310467Pass12
OT35476Pass-5

3rdダウンのプレイ回数は16回。
コルツはテキサンズより20回以上多くオフェンスしているのに、3rdダウンの数は同じです。
これはコルツの方が楽に1stダウンを更新していることになります。
喪失ヤードは69ヤード、平均は4.6ヤードです。

3rdダウンでのランは3回。
当たり前ですが、コルツもショートヤードしかランを選択しません。
ランでの3rdダウン成功率は2/3。
あまり喪失ヤードに意味はなさそうなので割愛します。

パスは12回プレイしました。
喪失ヤードは52ヤード、平均は4.3ヤードです。
3rdダウンコンバージョンは4/12と低め。

1スナップはフォルススタートのため、ノープレイです。

ボックスカウントとランディフェンス

一般的にボックスの人数が多いほどランは止めやすくなります。
コルツ戦では4Q以降にランで攻め込まれたテキサンズディフェンス。
ボックスカウントとランの喪失ヤードを確認しましょう。

5 men box

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
131456Run2
3110457Run1Holding
4110456Run6
4110456Run7
4110455Run9
4110457Run2

ボックスに5人いる場合、ランは6回コールされました。
喪失ヤードは27ヤード、平均は4.5ヤードとなっています。
5人はサンプルが少ないので、あまり意味はなさそうです。

6 men box

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
1110467Run4
133467Run2
128467Run7
1210467Run3
125465Run-2
1110467Run17
1110467Run9
228467Run7
225467Run3
3110467Run9
3210467Run8
423467Run4
421467Run13
4110466Run13
OT110466Run0
OT210466Run10
OT110665Run-2

6人のときはランが17回でした。
喪失ヤードは105ヤードで、平均は6.2ヤードとなりました。
5人のときより平均喪失ヤードが増えてしまいました。
とはいえこれもサンプル数が少ない。
シーズンが深まってきたらある程度傾向が収束するはずです。

7men box

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
1110477Run0
1110477Run2
121577Run4
11G477Run-2
24G477Run-2
2110477Run2
321477Run2
4110477Run14
OT110577Run-3Fumble
OT110477Run8

ランは10回、喪失ヤードは25ヤード、平均は2.5ヤード。
極端に強くなりました。
ではパスに弱くなったかというとそうでもない。
パスでは68ヤードを与え、平均は6.7ヤードと試合全体の成績とそう変わりません。

8 men box

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
1110587Run5
231586Run13
42G687Run2TD
OT22686Run-3

8メンボックスは多くない。
ただし肝心の8メンボックスのときにランでTDを取られています。
まあ、相手のパーソネルによる部分もあるので、ここはゴチャゴチャ言わない。
プレイ回数が4回と少ないのでサンプルとしては不十分ですが、喪失ヤードは17ヤード、平均は4.3ヤードとなりました。

カバレッジ人数とパスディフェンス

今度はカバレッジに割いた人数とパスディフェンスの関係です。
こちらはカバレッジが多ければいいというものでもありません。
ブリッツでプレッシャーを与えてパスミスを誘う考えもあるからです。
今週のテキサンズはブリッツが少なくまだまだサンプル数が足りませんが、一応確認しておきます。

5 men coverage

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
1110575Pass0
332685Pass0Fumble
4110465Pass0
OT212465Pass13

ブリッツが2人入ったということなります。
4回しかないので参考情報としては乏しいですが、上等な成績です。
喪失はわずか13ヤード、平均3.3ヤードしか与えていません。
それにファンブルも1回!
確かリカバーしていたはずです。
これだけ見るとブリッツを入れていた方が良いのでは?
それは早計か。

6 men coverage

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
137456Pass8
227476Pass0INT
3110466Pass0
4110466Pass13
4210456Pass16
OT213456Pass15
OT35476Pass-5

ブリッツを1人入れた状態です。
7回のパスプレイに対し、喪失ヤードは47ヤード、平均は6.7ヤードとなりました。
パスにしては上々の成績だと思います。
平均喪失ヤードも試合全体より0.2ヤード多いくらいですし、INTも奪っています。

7 men coverage

スクロールできます
QuarterDownDistanceFrontBoxCoveragePlayYard備考
126467Pass3
1210477Pass17
1110477Pass0
137677Pass5
1210457Pass11
1110477Pass20
22G467Pass0
23G467Pass9
2110477Pass28
2110467Pass3
2110467Pass5
232467Pass5
2110477Pass3
227457Pass0OFFSIDE
222467Pass20
2110457Pass4
226467Pass-7
2318457Pass0
3210467Pass14Holding
3215457Pass0UR
3110477Pass0
3110477Pass0
3210477Pass0
3310467Pass4
4110467Pass0
4210467Pass14
4110457Pass16
4110467Pass23
424457Pass9
41G467Pass0
42G567Pass0
43G457Pass0
41G587Pass7
4110467Pass15TD
428467Pass0
438457Pass12
4110467Pass12
4110467Pass7
423467Pass0
433467Pass2
OT110467Pass0
OT210467Pass0
OT310467Pass12
OT110467Pass1
OT29447Pass20

この試合圧倒的に多かったノーブリッツ。
特にスカイローテーションのカバー3が多かったと思います。
45回のパスプレイに対し、喪失ヤードは294ヤード、平均は6.5ヤードです。
まあ普通。

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